LTOテープの寿命と交換タイミング

LTO

データのバックアップやアーカイブ用途として利用されているLTOテープ。
HDDなどと違い稼働箇所がないので、オフラインで数十年単位での長期保存が可能です。
ではLTOテープの寿命は何年位なのか、交換やマイグレーションのタイミングの目安を紹介します。

LTOテープの環境条件

LTOテープは、適切な環境で使用・保管することが大切です。
まずは推奨環境条件を確認しておきましょう。

推奨使用環境条件

  LTO4/5/6/7/8/UCC LTO9
温度 10~45℃ 15~25℃
湿度 10~80%RH 20~50%RH

推奨保存環境条件

  LTO4/5/6/7/8/UCC LTO9
温度(短期/長期) 16~35℃(短期)/16~25℃(長期) 15~25℃
湿度(短期/長期) 20~80%RH(短期)/20~50%RH(長期) 20~50%RH

LTOテープの寿命

LTOテープの寿命は、社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)による寿命推定検証実験により結論付けされています。
LTOテープは世代によってテープ仕様が異なるため、JEITAではこれまで度重なる検証実験を行ってきました。

直近では、2019年にLTO-7、2023年にLTO-9メディアで検証実験が行われ、レポートが公開されています。
検証の結果、どちらでも再生信号の減衰率は50年以上信号の読み取り品質に影響がないことが確認されました。
つまり、LTO-7以降であれば通常の保管環境で50年以上の寿命があると解釈できます。

また、その前は2013年にLTO-5での実験が行われ、20年以上の推定寿命が検証されています。

そして、過去には国際学会での講演、学術論文及び媒体メーカからの発表内容によると、以下3点の内容が確認されています。
1.国内媒体メーカ3社が個別に実施した、保管サンプルでの試験により、15~19年の保存実績が検証された。
2.国内媒体メーカの学術論文から、60~96年もの期待寿命が予測されている。
3.国際会議の講演からは、50~100年、あるいはこれを超える期待寿命の発表がある。

以上のことから、LTOテープの寿命は下記の通りと認識しておくと良いでしょう。

LTO-6以下

20年程度

LTO-7以降

50年以上

UCC

50回の使用

出典:社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)
LTO 5 テープメディアの寿命評価
LTO 7 テープメディアの寿命評価
LTO-9 テープメディアの寿命評価

LTOテープの交換タイミング

LTOテープメディアが数十年の寿命があることが確認されていますが、JEITAは下記のようにも述べています。

システムの保証期間、OS及びソフトウェアの互換性等を考慮すると、安全かつ安⼼して、⼀つのテープフォーマットにデータを保管する⽬安は10年と考えられ、 10年以上の⻑期保管をする場合は、JIS Z 6019 「磁気テープによるデジタル情報の⻑期保存⽅法」を参照し、データを適切に移⾏(マイグレーション)することを推奨する。

つまり、10年以上の長期保存を行う場合は、テープの交換・移行(マイグレーション)タイミングについてテープの物理的寿命とは別の指針で考えるべきであり、適切にマイグレーションを行っていくことが推奨されます。

テープデータ移行サービス

弊社ではLTOテープのデータの移行サービスを提供しています。
お客様からお預かりしたLTOテープからデータを抽出し、新しいLTOまたは別の媒体へデータ移行してお渡しいたします。

LTOテープからLTOテープ
LTOテープからHDDなど他の媒体
LTOテープから別システム など

データの移行先は、お客様のご要望によってご指定いただけます。
リプレースしたいけど、移行先システムで迷っていらっしゃるお客様も是非ご相談ください。

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